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【連載企画:第2話】看護師が語る更年期障害について

【連載企画:第2話】看護師が語る更年期障害について


連載企画第2話は、第1話の続きの更年期についてです。

わたしの場合は、ホットフラッシュから始まった

第1話の記事にもありますが、わたしは更年期を経過中の看護師です。
わたしの場合は、ホットフラッシュというのぼせから始まっていたのですが、「まだまだこんなものは病気に値しない!頑張れ自分!!」という勝手な判断と病院に行く時間がないなんていう怠慢で一年弱経過していたと思います。

婦人科で、初診は漢方だけ処方

婦人科を初めて受診した際に、医師から「ホルモン補充療法をしてみるのはどうかな?」と提案されました。その時の私は自覚している更年期の症状に対してホルモン療法は過度なのではないかと考えてしまい、初診の際には漢方だけもらって帰ってきました。

でも、漢方だけではなかなか治まらない・・・・。
当時、管理職だったわたしは会議に出席すると、心の中ではいつもと変わらないはずなのに、発言する度に、手と体だけにどこからか熱量が伝わってきて、汗が背中につたってくる・・・、もちろん、顔も毛穴から沸騰するような感じで蒸気みたいな汗がでるのです。ところ構わず自分の体なのにアンダーコントロール不可能な状況でした。

症状は改善されず、足は常にむくんで痺れる

さらに足は常にむくんでいました。これは医療用語で浮腫(ふしゅ)というのですが、本来なら細胞に留められるべき水分が外に漏れ出る状態をいいます。このように浮腫があるせいか、夏でも足先はいつも非常に冷たいのです。

足のむくみ対策として、お風呂にゆっくり浸かってマッサージとか、弾性ソックスなどがあります。もちろんわたしも色々試しましたが、全く改善なし。週に1度の下肢マッサージもやってみましたがこれも目に見える効果としてはダメでした。

上半身は暑い、でも下半身は冷たい、そして足に関してはむくみすぎて、時々しびれる感覚すらありました。

婦人科を再受診して、ホルモン補充療法を

ようやく再度、婦人科を受診した私はホルモン補充療法を受け入れるしかない状況でした。

このような状況でしたが、ホルモン補充療法を開始して10日前後には、ホットフラッシュは自然と消失していて本当に驚きました。そこで、足のむくみ改善と体調管理のために週に一度の運動を始めました。たったの1時間なのですが、下肢の筋力が少しですがついたようで、むくみが改善され始め痺れが治まりました。わたしは更年期をあまり意識しないようにと・・・意識(?)していました。病気を気にするあまりに、余計に症状を気にしてしまって、メンタルまで不調になっていくのが嫌だなと思っていたからです。

でも実際には、それまで日常の体調に対して、我慢と無関心を装うという「心」にも「体」にも不健康な暮らしをしていたんだなぁと今となっては思います。

ホルモン補充療法「HRT」とは

ところで、ホルモン補充療法「HRT」とは、更年期障害に対してホルモンを補填する療法のことです。これに用いられる製剤が3種類あります。

  • 経口剤
  • 塗り薬
  • 経皮吸収型製剤

経口剤は胃や肝臓に負担がかかります。長期の服用になるので気をつけないとなりません。
塗り薬や貼り薬は、確実な効果が期待でき、肝臓に負担が少ないのがメリットです。デメリットは使用部位に皮膚症状を起こす可能性があることです。塗り薬の場合、塗った直後は他人が触れないように、こすれて落ちないように気を付ける必要があります。塗り薬の中には、皮膚刺激の少ない、塗布跡が残りにくいジェル型製剤もあるようです。
経皮吸収型製剤は、2日に一度の貼り替えで済みますがお腹の周囲に貼るので長期でやっていると皮膚症状が出ることがあります。ちなみに私の場合には5cm弱程度の楕円形のシール状になっている経皮吸収型製剤を使用しています。2日に一度、そして休薬期間もあります。

わたしは貼り忘れがないように袋の上に油性ペンで、貼り替える日付を書いています。旅行などの際には忘れないようにしないといけません。またシールは、かなりしっかりと患部に密着する薄いシートのため剥がす度に皮膚が赤くなります。ただし、皮膚症状である湿疹などこそありませんが、夏は若干の汗もあるせいか、多少赤みがでることがあります。また、いつも下腹部に集中して貼っているためかなり皮膚表面が、かさかさして乾燥したような感じになっています。

ホルモン補充療法「HRT」の注意点

  • もちろん医師の処方が必要なお薬です。
  • ホルモン補充療法は、子宮がある人と無い人で療法が異なります。
  • このホルモン補充療法のホルモンとはエストロゲンです。ただし、このエストロゲンの過剰摂取は子宮体がん、乳がん、卵巣がんなどのリスク因子となります。
  • 治療の前には上記疾患の検診を行う、治療期間は1年に1度検診を行うことをおすすめします。
  • 今回の体験談は、安易にホルモン補充療法を勧めるものではありません。

非常にいい製剤でも医師の指示に従い容量、用法を守らないといけません。

いま、わたしは堂々と更年期だと公言し(笑)とても快適な毎日を過ごしています。

執筆者

圓井 順子

圓井 順子 株式会社BodyVoice 代表取締役 /看護師

地元の短大を卒業後、就職するも幼少期からの夢を諦めきれず、25歳で看護専門学校に入学。看護師として医療機関での経験を積み、現在は複数の医療系の会社を経営。株式会社BodyVoiceでは医師と看護師による、サプリメントを中心としたヘルスケアアプローチを進めている。
また、予防医学やがんの啓蒙活動に従事するため、NPO法人ピンクリボンうつのみやの理事も務める。