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0次予防に関して

0次予防に関して

幹細胞について

目に見えないほど小さな細菌から、大きな生き物の代表と言えるクジラやゾウまで、全ての生物の体は細胞からできています。細胞の数は生物によって異なりますが、私たち人間の体は約60兆個もの細胞から成り立っています。これらの細胞はそれぞれ、存在する場所にあわせて決まった役割を持っています。

たとえば、皮膚をつくる・血液の成分である赤血球や血小板をつくる・臓器をつくるなどです。その中でも「細胞をつくる」役割を持った特別な細胞のことを幹細胞といいます。幹細胞には2つの能力があり、1つは様々な役割を持った細胞を作り出す「分化能」、もう1つは自分と同じ能力を持ったコピーを作り出す「自己複製能」です。ちなみに幹細胞は多能性幹細胞と体性幹細胞という2つの種類に分類することができ、前者の代表にES 細胞やiPS 細胞、後者の代表に間葉系幹細胞(MSC)があります。
代表的な幹細胞

間葉系幹細胞(MSC)とiPS 細胞の違い

間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal stem cell)はヒトがもともと体の中に持っている幹細胞であり、iPS 細胞(induced pluripotent stem cell[人工多能性幹細胞])は、ヒトの皮膚などの細胞をもとに人工的に作られた幹細胞です。間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄、脂肪、胎盤又は臍帯、歯髄など、ヒトの体の中の様々な場所に存在する幹細胞です。採取する場所ごとに特性が異なり、骨髄由来幹細胞(BMSC)、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)などと呼ばれます。

生体を傷つけない形で採取することができ、分化能、免疫調整能、抗炎症特性があるため、骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が大きく期待されています。非腫瘍形成性である(ガン化しない)ことから、最も広く研究されています。

一方、iPS 細胞は、成熟した細胞に対し遺伝子の再プログラミングを行って作り出すことから、ES 細胞の抱える倫理的課題をクリアしており、高い分化能をもつため多能性幹細胞の中でもたいへん有望です。
課題としては、腫瘍形成性(ガン化)を回避しなければならないこと、実用化までにまだまだ時間がかかることがあげられます。
多分化能幹細胞

幹細胞の数と種類

年齢別幹細胞の数について

ヒトを形成する細胞の数は、成長とともに増えていきますが、体内の幹細胞のしめる割合は年々減っていきます。
年齢別幹細胞の数について

幹細胞の主な種類

・脂肪肝細胞
骨髄で作られた幹細胞が分化し一部が脂肪に蓄えられているということが、2003年に確認された。量が多く、抽出が容易で、コストが比較的安いため主に美容の業界でよく使用されている。効果においては適応範囲が美容等に向いていると言われ、脂肪肝細胞は最終的には大半がマイクロファージになると言われている。

・臍帯幹細胞
効果性は高いと言われているが、元来ES細胞に近いため、がん化するリスクも高く、取り扱いには注意が必要。アジアでは材料になる臍帯の調達が容易であるため、ポピュラーな幹細胞の一つである。

・骨髄幹細胞
骨髄由来の幹細胞はBBBを通過できる。さらに脳や神経を含むあらゆる細胞になれる多能性をより高く有している。またサイトカインやGFにおいても脂肪や臍帯よりも圧倒的に含有量が多いことも確認されている。よって、最も期待されている幹細胞だが、課題は材料である骨髄の調達が極めて困難であること。最近では骨髄損傷患者向けに札幌医科大学と株式会社ニプロが共同開発したステミラック注がこれにあたり、世界的に注目されている。

・BMMMSC(骨髄由来の間葉系幹細胞)
間葉系幹細胞は全身に分布する体性幹細胞で、骨芽細胞・骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞などの中胚葉系細胞に分化する多能性幹細胞です。最近では、胚葉の異なるグリア細胞や肝細胞への分化も報告され顕著な事故増殖能、事故複製能を有します。胚性幹細胞(ES細胞)のような倫理的問題は殆どなく、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)のように遺伝子導入する必要がないために、移植時の安全性の点でも優れており、骨、軟骨、腱、筋、心筋や血管の再構築などの再生医療えの応用が期待されています。

歯髄幹細胞による治療について

まだ動物実験の段階ですが、神経・筋肉・臓器の疾患などに対し効果があったことが報告されています。すでに犬や豚など大型動物での実験に着手している研究もあり、数年後には臨床研究実験が始められるのではと期待されています。これらの研究によって効果が実証されれば、歯科と医科の協働した治療が実現するでしょう。そんな未来に向けて、歯髄の幹細胞を保管する取り組みも始まっています。

自家細胞と他家細胞

自分の細胞のことを「自家細胞」、他人の細胞のことを「他家細胞」といいます。自家細胞は患者本人の細胞を使用するため、本人の年齢や健康状態にかなり影響を受けます。他家細胞は20代の特別健康体のドナー由来の細胞を使用するため、細胞の活性率が高く、大きな効果が期待できると言われています。
自家細胞と他家細胞について

他家細胞の安全性

血液型に4つの型があるように、幹細胞にもいろいろなHLAの型があります。一般的に他家細胞は適合しないと拒否反応を起こしますが、間葉系細胞はHLA-DRが未発現のため拒否反応の報告はあげられておりません。
他家細胞の安全性

0次予防に大切なこと

今後最も重要なのは、0次予防
わたしたち人間がこの地球上で健康に生活していくためには、重力と酸化ストレスへの対応が重要です。

重力に負けない丈夫な体をつくるためには、骨粗鬆症の予防と筋トレが必要です。さらに認知症を予防するためにも、筋トレが大いに役立つことが分かっています。筋肉を使うと、マイオカインというホルモンが分泌され、脳の神経細胞を活性化させます。その一方で、衰えた筋肉からはヘモペキシンというタンパク質が分泌され、脳の神経細胞を傷害することが報告されているのです。

また酸化ストレスに対して、本来人間には防衛機構としてSOD(Super-oxide-desmutase:体内で過剰となった活性酸素を取り除く働き)を持っています。
しかしこの働きは40歳から70歳にかけて急激に減少します。高齢になるほど活性酸素が体内では増えることになり、70代でがん、そしてさらにホモシステイン酸(メチオニン)の働きにより80代からは認知症も発生しやすくなってきます。

一方、身体を異物から守るという重要な働きを担っている免疫機能も、年齢とともに減少していきます。自然免疫の細胞であるγδT細胞は、成人になると10代の1/4程度にまで減少してしまうのです。特に80代以降では、限りなく0に近くなります。
新型コロナによる死亡者数において、高齢者が占める割合が高かったのはこれが原因かもしれません。

がんの発生と予防

がん発症までの経緯
がんの発病までには約10年をかけて3つの段階を進みます。

ます、発がんの原因物質に暴露(イニシエーション)して、がん「もどき」を形成します。次に活性酸素が原因となって、遺伝子のがん化が進みます。(プロモーション)
最後に、免疫系が傷害されることによりがん細胞が増殖・転移(プログレッション)します。
さびない体をつくる日常のプラスケア
また、幹細胞の数も加齢に伴い減少し、80代では0歳の1/200万まで激減しています。

高齢者の幹細胞は増えにくいのですが、上清液(若年者の幹細胞を培養し滅菌等の各種処理を行った上澄み液)を点滴することにより、若いときの幹細胞の能力に近づけることができます。
したがって、がんを予防するためには、活性酸素を水素サプリメントで除去し、免疫系をCBDで活性化させ、幹細胞上清液を継続的に投与すること最も効果的です。

また、若年者の幹細胞上清液から出てくるエクソソーム(細胞から分泌される物質)によって高齢者の幹細胞が刺激され、細胞内のSOD活性が上がることで活性酸素が減少します。
遺伝子の障害を引き起こす副反応を抑えることによって、若返り効果があることも最近ではわかっています。

若い人のエクソソームが、老人の幹細胞を若返らせる
0次予防プログラムとして、1~3ヶ月毎の幹細胞上清液の点滴に、毎日の水素サプリメント+CBDの内服をお勧めいたします。

執筆者

佐藤 俊彦 医師

佐藤 俊彦 医師

放射線科専門医
宇都宮セントラルクリニック理事
セントラルメディカル倶楽部顧問医
株式会社AIIM JAPAN 代表取締役社長
株式会社BodyVoice 最高技術責任医師
メディカルリサーチ株式会社顧問
NPO法人ピンクリボンうつのみや理事長