CBDのアントラージュ効果とは?CBDオイルの効用がもっとも高まるのは「ブロードスペクトラム」タイプ!
「アントラージュ効果」は、CBD(カンナビジオール)について理解を深めるうえで、非常に重要なポイントの1つです。アントラージュ効果を理解することで、美容や健康のためにCBD製品を購入しようとした際のポイント、CBDの濃度や容量だけでなく、製品に含まれる「CBD以外の成分」についても比較できるようになるでしょう。
そこで今回は、CBDの効果に影響すると考えられている「アントラージュ効果」について解説します。
目次
効果のオーケストラ!アントラージュ効果とは?
CBD(カンナビジオール)が抽出される大麻草や産業用ヘンプには、100種類以上の大麻成分「カンナビノイド」や400種類以上にもなる「活性化合物」が含まれています。主要成分はCBDやTHC(テトラヒドロカンナビノール)ですが、他にも沢山の成分が含まれているのです。
※関連記事
ECS(エンドカンナビノイドシステム)ってなに?CBD(カンナビジオール)との関係
エンドカンナビノイド欠乏症候群に関わる病気とCBDの役割とは
これらの成分を同時に摂取することで、単体で摂取するよりも特定の効果が発揮されたり、個々の効果が大きくなったりします。これを「アントラージュ効果」といいます。
このように異なる成分をかけ合わせて相乗効果を得るケースは、CBDなど大麻草に限った話ではありません。ただ、アントラージュ効果は「大麻草に含まれる成分による相乗効果」に限定された用語なので、他の成分には該当しないことを覚えておきましょう。
つまり、CBDに期待されている鎮静・鎮痛・リラックス・不眠解消などの効果も、CBD単体だけではなく、他の成分と同時に摂取することで大きくなる可能性があるということです。アントラージュ効果はしばしば「オーケストラ」や「アイドルグループのコンサート」に例えられます。単独公演やソロのコンサートよりも、多くの楽器や人が集まった方が音も心に響く作用も大きくなるというわけです。
実は違法成分のTHCがもたらすアントラージュ効果
大麻草の主要成分であるCBDとTHCにもアントラージュ効果があるとされています。CBDとTHCを同時に摂取することで、CBDの医療作用とTHCの精神作用の効果が高まると考えられています。また、CBDにはTHCが持つ悪影響を及ぼす精神活性作用を抑制する働きがあるとされています。
日本ではTHCの流通が認められていないため摂取することはできません。
しかし、海外のCBD製剤には「CBD:THC=1:1」のように含まれているものがあります。ただ、CBDA、CBG、CBNなどTHC以外のカンナビノイドともCBDは相乗効果があると言われておりますので、日本でCBD製品を購入する際にも知っていて損はない知識といえるでしょう。
日本でも手に入るブロードスペクトラムならアントラージュ効果が期待できる!
CBDとTHC以外の大麻草に含まれる微量なカンナビノイドを総称して「マイナー・カンナビノイド」といいます。大麻草に含まれるマイナー・カンナビノイドは100種類以上あり、その代表的なものが前述したCBG、CBN、THCA、CBDAなどです。
CBD先進国であるアメリカでは、CBDに化学的に手を加えた「Δ8-THC」と呼ばれるマイルドな精神作用を有するカンナビノイドが注目されているなど、今後の研究や臨床応用に期待が集まっています。
また、これらのマイナー・カンナビノイドとCBDの相乗効果ははっきりとは確認されていないものの、薬効としてはCBDのみの「アイソレート」よりもTHC以外のマイナー・カンナビノイドなどが混ざった「ブロードスペクトラム」の方が望ましいと考えられおり、実際にCBCやCBG、CBNといったカンナビノイドを含むCBD製剤の方が、そうでない薬剤よりも鎮痛作用などが大きかったという研究結果も明らかになっています。
アントラージュ効果と香り成分テルペン
テルペンとは揮発性の高い芳香成分のことです。別名「テルペノイド」と称されることもあり、特有の香りを活かしてアロマセラピーなどにも広く活用されています。
CBDを使用したことがある方なら分かると思いますが、麻の香りがしますよね。
大麻草には200種類以上のテルペンが含まれており、CBDなどのカンナビノイドと同時に摂取するとアントラージュ効果が得られると考えられています。
例えば、テルペンの成分の一種であるミルセンは鎮静やリラックス効果。フムレンは抗炎症・鎮痛・抗菌のほか食欲抑制につながるとされています。これらのテルペンとCBDを同時に摂取することで、カンナビノイドを受容体に直接作用するほか、カンナビノイドの吸収を高める効果があることが分かっています。
CBD製品を選ぶ際はCBD以外の成分にも注目しよう
アントラージュ効果とCBD、マイナー・カンナビノイド、テルペンについて解説しました。CBD製品を選ぶ際、つい容量や濃度を重視しがちですがアントラージュ効果を期待するのであれば、ブロードスペクトラムがもっともお勧めです。また、CBDのみのアイソレートも効果が見込めないわけではないので、CBDを摂取する目的などに合わせて適切に選ぶことを心がけましょう。