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アトピー性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患とCBDに期待されている効果と役割とは

アトピー性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患とCBDに期待されている効果と役割とは

【CBDと病気・症状シリーズ パート5】

大麻から抽出される「CBD(カンナビジオール)」は医療、美容、健康など様々な用途に用いられています。近年は日本でも流通量が増えつつありますが「CBDは口や鼻から摂取するもの」というイメージが強い人は多いのではないでしょうか?
実は海外ではCBDが「塗り薬」として使われることもあり、皮膚疾患に対する有用性が報告された事例も存在するのです。そこで今回は、CBDと皮膚疾患の関係についてCBDの専門家で医師の正高佑志氏の著書とYouTubeチャンネルなどを参考にして紹介します。

皮膚疾患とは

皮膚疾患とは、肌に症状が現れる病気の総称です。その種類は様々で、症状も皮膚の赤み、丘疹(ぶつぶつ)、水ぶくれ、ただれ(びらん)、膿をともなう水ぶくれ、かさぶた、黒ずんだ痕が残る「色素沈着」、皮膚がザラザラになる「苔癬化」など進行状況によって変化します。まずは代表的な皮膚疾患のうち、CBDと関わりがあるものを簡単に紹介するので確認してみましょう。

アトピー性皮膚炎

皮膚疾患のなかでも特に発症する人が多い病気の一つです。厚生労働省によるとアトピー性皮膚炎の定義は「増悪・アトピー性皮膚炎は増悪・寛解を繰り返す 痒(痒み)のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」とされています。
少し難しい言葉が多いのですが、要約するとアレルギーや乾燥しやすいといった体質を持つ人に刺激が加わると、慢性的に湿疹を繰り返す病気ということです。
ステロイドや軟膏による薬物療法と適切なスキンケアによる治療方法が一般的で、紫外線療法のほか抗アレルギー剤などの内服薬を補助的に服用するケースもあります。

※出典:厚生労働省「アトピー性皮膚炎

乾癬

乾癬は症状によって5つに分類され、その大部分は皮膚に銀白色の皮膚の粉をともなう盛り上がった紅斑が現れる「尋常性乾癬」とされています。尋常性乾癬は全身に発症する可能性がありますが、特に頭皮や肘、膝など外部からの刺激を受けやすい部位に発症することが多いです。また、症状が出ていない部位でも「刺激」が加わると、新たに発疹が現れる「ケブネル現象」が起こることもあります。この刺激の程度は、爪で引っかいたりするものからベルトや衣服、メガネなどが皮膚に触れるだけでも発生する可能性があります。
乾癬の治療は、塗り薬による「外用療法」、紫外線照射による「光線療法」、飲み薬による「内服療法」、注射や点滴による「生物学的製剤」を症状によって組み合わせて行います。

皮膚疾患とCBD

CBDはアトピーや乾癬などの炎症性の皮膚疾患や表皮水疱症において、効果がある可能性が報告されています。
イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学の研究チームは、アトピー、乾癬、ニキビ痕、色素沈着の皮膚疾患患者を各5人、計20人に対して調査を実施。CBD軟膏を1日2回、90日間塗布して治療前後の皮膚の状態を評価しました。
その結果、CBDの投与後には瘢痕の改善や消失が確認されたうえ、皮膚の保湿性や弾力性の著しい改善が認められたのです。

また、2018年にはスタンフォード大学の研究チームが表皮水疱症についてCBDの有用性を報告しています。
表皮水疱症は、表皮と真皮を接着させるタンパクに生まれつき異常がある遺伝性の皮膚病で、日本では難病指定されています。単純型、接合部型、栄養障害型の3種類あり、いずれの型でも軽微な力で皮膚や粘膜に「ただれ」や「水ぶくれ」が生じてしまいます。その程度は生活環境や生活習慣、栄養状況などで異なりますが、大きな潰瘍が多発すると時には命に関わるような合併症につながる恐れもあります。
研究チームは3例の表皮水疱症患者に対して、CBDオイルを塗り薬として使用。その結果、痛みが改善し水疱の治癒も早まったことが報告されています。このことから、火傷など他の要因による水ぶくれに対してもCBDは鎮痛、創傷治癒の促進効果がある可能性が示唆されているのです。

※出典:公益財団法人難病情報センター「表皮水疱症

皮膚のお手入れにもCBDは効果が期待できる

アトピー性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患とCBDに期待されている効果と役割について紹介しました。まだ研究の症例数は少ないものの、今後、その効果が立証されれば様々な皮膚疾患に悩む人の助けになることでしょう。
また、CBDは皮膚の疾患だけでなく、肌の保湿やハリといった美容的にも効果を期待されています。日本でもCBDクリームや「塗るオイル」などが既に販売されているため、気になる人は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。