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【医師監修】CBD(カンナビジオール)の誤解されがちな3つのポイントとは

【医師監修】CBD(カンナビジオール)の誤解されがちな3つのポイントとは

最近、「CBD(カンナビジオール)」を使った製品が、雑誌やインターネットで話題になる機会が俄かに増えています。
とはいえ、まだその実際は浸透していないうえ、大麻草から抽出されることで誤ったバイアスがかかった情報を信じてしまっている人も少なくありません。そこで今回は、CBDの専門家である正高佑志医師のYouTubeチャンネル「Japan Green Zone」や著書などから学んだ情報のうち、CBDが誤解されがちな3つのポイントについてまとめて解説します。
CBDに興味がある方はもちろん、「CBDは得体が知れない」という懐疑的な人もぜひ参考にしてください。

誤解1:CBD製品を使用すると逮捕される可能性がある

国内で流通しているCBD製品を購入、使用しても逮捕される可能性はありません。マリファナの原料になり、CBDと同じ大麻草から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と混同することが「CBD製品を使用すると逮捕される可能性がある」という誤解を生む原因と考えられます。
CBDが合法とされる根拠は、大麻取締法一条に記されています。一文を抜粋したのでまずは確認してみましょう。

大麻取締法 第一章 総則 第一条

「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
※出典:厚生労働省「大麻取締法

少し分かりにくいですが、要約すると「茎や種子を使った製品は大麻とは定義しない」とされています。
そしてCBDは大麻草の茎から抽出する成分なので、日本国内では大麻とは見なされないというわけです。CBDのアイテムは輸入製品が多いですが、これらもしっかりと税関で成分を検査されているので、安心して使用することができます。

ただし、海外で流通しているCBD製品のなかには、THCが含まれていることもあるので注意が必要です。THCは大麻の葉や花穂から抽出されるため、大麻取締法の対象になるのです。故意、過失に関わらず「大麻の密輸」として扱われる可能性があるので、国内には持ち込まないようにしましょう。

誤解2:CBDには中毒性がある

残念ながら、大麻というイメージから「CBDには中毒や依存症の恐れがある」と誤解してしまう人も少なからずいます。しかし、結論から言うとCBDには、お酒に含まれるアルコールのように「急性中毒」も「慢性中毒」も確認されていません。

その根拠となる例を1つ紹介しましょう。アメリカ合衆国では「規制物質法」という特定の薬物の製造や輸入を規制する法律があり、その作用や含まれる成分によってスケジュールⅠ~Vまで分類されています。
CBDはそのなかで最も安全で規制が緩い「スケジュールV」に該当し、ドラッグストアで購入できる咳止めのシロップと同じ分類とされていました。
さらに、2020年の法改正によって乱用薬物のリストからも除外され、CBDに依存性・乱用性がないことをアメリカ政府が正式に認めたのです。
このことから、CBDの中毒性や依存症、または使用を止めた際の離脱症状などの危険性はほぼないといえるでしょう。中毒の危険性という観点では、アルコールやタバコなどの方がリスクが非常に高いのです。

誤解3:CBDには副作用のリスクがある

CBDには頭痛、下痢、疲労感、軽度の肝障害といった副作用が確認されています。
これだけ聞くと、リスクが大きいと誤解してしまう方もいるのではないでしょうか。ただ、前述した副作用は風邪薬はもちろん、サプリメントなどでも起こる可能性がある軽度のものなのです。
実際、2017年11月にWHO(世界保健機関)が発表した「CBD事前審査報告書」では、副作用がほとんどなくあっても非常に軽いという意味の「忍容性が良好」という意味の表現が使われています。
あらゆる薬と同様、CBDには副作用が全くないというわけではありません。ただ、アメリカの国立がん研究所などが行った大規模な調査でも、命に関わるような重い副作用は確認されていないことは事実です。

※出典:WHO「CANNABIDIOL (CBD) Pre-Review Report Agenda Item 5.2
   :日本臨床カンナビノイド学会(訳)「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書

CBDの誤解を解消しよう

CBDが特に誤解されることが多い3つのポイントについて紹介しました。みなさんの誤解を解消できたでしょうか。CBDを利用しやすい環境づくりのためには、一人でも多くの人の誤解を解き、CBDのことを正しく認識してもらう必要があります。
メディカルリサーチシンクタンクでは、CBDの正しい情報発信を行っておりますので、ぜひ他記事もチェックしてみてください。

※参照:著 正高佑志「お医者さんがする大麻とCBDの話」
※参照:YouTubeチャンネル「Japan Green Zone