女性ホルモンバランスの崩れは健康・美容の敵!「エストロゲン」を大切にしよう
ホルモンは全身の機能を整えるとても重要な物質です。ホルモンにはさまざまな種類がありますが、女性にとって特に大切なのが「女性ホルモン」です。女性ホルモンは加齢や月経周期などで変動し、それによって体調やお肌の調子に大きな影響があります。
今回は女性ホルモンの基本的な知識を「健康」と「美容」に注目して紹介します。
目次
美容・健康の超基本!女性ホルモンとエストロゲンってなに?
女性ホルモンは、美容や健康に大きな影響を与える「エストロゲン」と妊娠などの機能を調整する「プロゲステロン」の2種類があります。女性のカラダはこの2つのホルモンのバランスによってコントロールされているのです。
それぞれの特徴について紹介します。
身近だけど意外と知らない「女性ホルモン」とは
女性ホルモンは卵巣でつくられるホルモンの一種で、妊娠・出産や女性らしい体づくりに関わる調整機能の役割を担っています。また、月経も女性ホルモンによって制御されています。
ホルモンには「インスリン」や「アドレナリン」といった100種類以上の仲間があり、そのどれもが女性ホルモンと同じように脳下垂体や甲状腺、すい臓など、様々な臓器から分泌されています。
また、女性ホルモンを含め、栄養素のように食べ物から直接摂取できません。だからこそ、女性ホルモンのバランスを考えるうえで「正常に分泌される体内環境づくり」が大切なのです。
美肌に直結するホルモン「エストロゲン」
エストロゲンは卵胞から排出されるホルモンです。
主に妊娠する準備、自律神経の働きを調整する機能があり、コラーゲンの生成を促す役割もあることから、美肌づくりや肌の状態を維持したい人にとっては大切なホルモンといえるでしょう。
また、血管や骨・関節、脳にとっても大切なホルモンであり、健康増進・維持の観点でも欠かせないホルモンです。
体調管理に重要な役割の「プロゲステロン」
プロゲステロンは主に妊娠から出産まで、さまざまな体調をコントロールするための女性ホルモンです。
例えば、子宮内膜を柔らかい状態に維持することで妊娠しやすい状態をつくる機能などを有しています。ほかにも妊娠後に水分や栄養素を蓄積しやすくし、妊娠状態を維持できる体づくりを促します。
そして、排卵の時期に体温が高くなるのは、プロゲステロンの働きによるものです。
子宮内膜の増殖を抑えて、子宮体癌の予防にも働くとされています。
女性ホルモンはなぜ美容と健康に重要なの?
女性ホルモンのなかでも、特にエストロゲンの分泌量は女性の体調や美容においてとても大きな影響があります。
女性ホルモンは日々の周期に伴い変化していますが、女性のライフステージに合わせても大きな変化を伴います。
一般的には思春期~成熟期でエストロゲンの分泌量はピークを迎え、その後、更年期=老年期にかけて急激に低下します。その過程で増大する病気と美容のリスクについて確認してみましょう。
※出典:厚生労働省「女性のライフステージと健康の特徴」
女性ホルモンの低下、過剰分泌は体調不良のもと!
女性ホルモンの分泌量が低下すると最初に月経が乱れはじめ、更年期症状や尿失禁、性交痛などを自覚する人が増えます。
また、肩こりや動悸、睡眠障害などに悩む女性も少なくありません。
さらに経過すると皮膚が萎縮したり、色素が沈着しやすくなり、骨粗しょう症や動脈硬化、認知障害などのリスクが高まります。
一方、更年期に女性ホルモンが過剰分泌されると子宮筋腫、子宮内膜症、乳がんといった命に関わる病気の発症につながるとされています。
■40代女性がかかりやすい病気(例)
・月経不順・無月経
・更年期障害
・貧血
・泌尿器の病気
・乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん
※乳がん、子宮体がんは若年層での罹患も問題となっています。
■50代女性がかかりやすい病気(例)
・生活習慣病
・甲状腺の病気
・うつ
・乳がん、子宮頸がん、卵巣がん
女性ホルモンだけが原因ではありませんが、細かな体の不調から日常に影響をおよぼす病気まで、たくさんのリスクが増加することを覚えておきましょう。
※出典:厚生労働省「女性はライフステージごとに女性ホルモンが大きく影響する?!」
女性ホルモンの減少は肌トラブルのリスク大!?
エストロゲンは、美肌には欠かせない「コラーゲン」の生成の重要な役割を担っています。
そのため、分泌量が減ると肌が乾燥しやすくなるほか、シワやシミ、たるみが目立ちやすくといった「肌老化」が進んでしまいます。
40~50代になると肌の乱れが顕著になりやすいですが、エストロゲンの分泌量は卵巣の機能が低下する30歳後半から低下し始めることが多いです。
そのため、一見、健康な状態の肌に見える時期から洗顔、保湿、紫外線対策などを徹底して肌へのダメージを減らしておく必要があるでしょう。
女性ホルモンは食事からバランス調整しよう!
女性ホルモンを適切に保つことは、加齢に伴う健康・美容のトラブルの防止においてとても重要なことであるとお分かりいただけたでしょうか。
そのため、適度な睡眠と運動、ストレスの発散などをなるべく早いうちから実践し、継続することがお肌のトラブルを防ぐための基礎といえるでしょう。
毎日の食事も女性ホルモンが減少するにつれて増える肌トラブルの予防に大切な生活習慣の1つです。バランスの良い食事を心がけるほか、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンA・C・Eなどを積極的に摂取することをおすすめします。
日々の生活から改善が超重要!
女性ホルモンの低下と健康・美容に与える影響について解説しました。
すでに女性ホルモンが低下しているライフステージの人はもちろん、まだ成熟期の女性も早めの対策をして損はありません。
例えば、食事バランスでは、肉や魚、大豆、青魚、野菜、海藻、きのこ、いも、ゴマといった「8つの食品群」に気を付けてレシピを考えましょう。
さらに肌老化を抑えるためには、ビタミンなどが豊富な果物を摂取するのも大切です。特にビタミンCやポリフェノールが豊富で抗酸化作用があるとして注目されている「ザクロ」などはおすすめです。
果物を毎日食べ続けるのは、お金やモチベーションがもたないという人はサプリメントなどで手軽に摂取できるので、ぜひ検討してみてください。